資格名 通関士 (国家資格)
今回は、通関士の資格内容・おすすめ勉強法・将来性・稼ぎ方などについて、通関士の資格を取得したよしきさん(20代・男性)とともみさん(30代・女性)に実情を伺います。
2010年、学生時代に通関士の資格を取得し、資格を活かして貿易関連の業界で働いています。
私は運輸業界で勤務しており、会社の業務拡張のため、海外製品の輸入についても扱うようになったので、通関士の資格を持っている人が必要になり、会社の指示で資格を取得しました。
現在は主婦ですが、育児が一段落したら、この資格を活かして再就職するつもりです。
目次:読みたい項目にジャンプ
通関士とはどのような資格か
通関士の仕事は、輸出入の手続きをすることです。
通関士は、貿易関連で唯一の国家資格であり、通関業者では、営業所ごとに1人以上の有資格者を置くことが原則義務付けられているため、有資格者のニーズは安定しています。
- 通関業者
- 商社・貿易会社
- 百貨店・メーカー
などにおいて、その資格を活かすことができますし、ネットを使った
- 個人輸入
も、通関士の知識を利用すれば、スムーズに行うことができます。
通関士試験の合格率・難易度
通関士試験の合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
2015年 | 7,578人 | 764人 | 10.10% |
2016年 | 6,997人 | 688人 | 9.80% |
2017年 | 6,535人 | 1,392人 | 21.30% |
3年平均 | 7,037人 | 948人 | 13.7% |
2017年の合格率が高かったので、3年平均が13.7%となっていますが、例年10%前後で推移しています。
受験者数は、平成5年頃までは3千人程度でしたが、その後増え続け、現在は7千人程度が毎年受験しています。
通関士試験の難易度・勉強時間
通関士試験の合格率は10~20%ですので、やや難関の試験です。
通関士試験は、60%以上の正解率で合格ができますが、3科目それぞれで60%以上の得点が必要です。
1科目でも60%を下回ると不合格となりますので、苦手科目を作らずに、満遍なく学習することが大切です。
通関士試験は年1回しかなく、合格者はほとんどが1−2回目の受験者です。
通関士試験に合格するためには、約350時間の勉強時間が必要とされています。
通関士試験の受験資格
通関士試験に、学歴、年齢、国籍、経歴などの制限は一切ありません。誰でも受けることができます。
定員もなく、基準点をクリアすれば、誰でも合格となります。
通関士試験の内容
試験科目
通関業法 | 択一式(10問:100点)空欄記述式(2問:100点) |
---|---|
関税法・関税定率法等 | 択一式(20問:100点)空欄記述式(5問:100点) |
通関手続きの実務他 | 択一式・計算式(10問:100点) 通関書類の作成(輸出申告書1問、輸入申告書1問:100点) |
試験日
- 10月上旬
通関士の将来性は?取得の意味はある?
しかし、就職の前にこの資格を取得しておいたことで、就職の時に有利になったと感じています。
また、実際に貿易関連の会社に就職してから、この通関業務を行うようになりましたが、新人であっても通関士の資格を持っていたので、会社の業務にもスムーズについて行きやすく良かったです。
ですので、貿易系、流通系を目指す人にとっては取得の意味があると思います。
海外との貿易は、経済活動はもちろん、私たちの暮らしにおいても欠かせないもので、2016年の日本の輸出入総額は約136兆円にものぼります。(財務相貿易統計より)
グローバル化が進む今の社会において、通関士という資格は、今後も様々な場所で必要になってくるのではないかと考えていますし、将来性の期待される資格です。
通関士の資格取得後の働き方・稼ぎ方
それが行政書士や司法書士とは違う点です。
それで、就職して、この通関士の資格を生かせる仕事を行うというのが一番良いようです。
私も貿易業の会社に就職しましたので、この資格を生かせる部署に充ててもらい、毎日この通関士の資格を生かした仕事を行っています。
しかし、目的もなしに、この通関士の資格を取っておいたら後で役立つのではないかという考えだったとしたら、就職する会社によっては役立たない可能性が多いと思います。
そのように考えるとつぶしがきく資格ではないかもしれません。
それで、この資格を取って大きく変わることはありませんでしたが、毎月通関士の資格手当として15000円もらっています。
実際のところは私が通関士の資格を取る際には、会社からその資格を取るにあたっての講座代、試験費が出ました。
それプラス通関士の資格手当がもらえるのは、割りが良いと思っています。
会社からは、この資格を取って他の会社に転職するのは反則だからなと言われています。
しかし実際問題、この資格だけがあったからといって、他の会社に就職して今よりもお給料が大きく上がることはないと思っています。
通関士の資格は就職・転職に役に立つ?
これは私の経験を踏まえてでもありますが、貿易系の会社に就職を希望していました。
実際に面接でも言われたことですが、ただ貿易系の仕事を希望しているだけでなく、実際にそこで役立つ資格を持っているという事は、本当にその会社に関心があるという事を示すものとなるからです。
転職の際もこの資格があり、通関士としての業務経験があるなら、多くの会社から必要とされる人材になると思います。
その理由は、通関士の資格を取ったからと言っても、通関士としての実務経験がないならば、採用するほうも躊躇してしまうと思うからです。
通関士としての仕事は、ほかの資格においても同じ点が言えると思いますが、テストに受かったからと言って、一人前になるわけではなく、それがあくまでもスタート地点になります。
しかし、実務経験があって、なおかつこの通関士の資格がある人なら、転職する際にも有利になると考えています。
私は出産を機に通関士として働いていた職場を離れていてブランクがありますが、子育てがひと段落したら、この通関士としての資格を生かして働きたいと思っています。
通関士の平均年収
大学に言ってそれを専門に何年か勉強してからでないと取れない資格ではありませんから、この年収は、悪くないと思います。
私の年収は420万円です。
30代くらいの平均年収は300-400万円だと思います。
私は300万円を少し超えるくらいでした。
通関士のステップアップ方法
なぜなら、通関士の資格を持っていない人でも、以前からこの業務を行っている人はかなりの実務経験を持っており、通関士の資格を持っているけれども実務経験がある人よりも、はるかに仕事が出来るからです。
通関士という資格を持っていることに甘えるのではなく、通関士の試験で学んだ知識を基礎に常に勉強していかなければなりません。
具体的に言えば、新しい商品が出た時などに、それに関税をかけるとしたら、どの分野に振り分けられるのか、実際にいくらの関税になるかを、アップデートしていかなければなりません。
しかしステップアップすることは可能で、私はその一つの分野は言語の勉強だと考えています。
通関士の仕事は貿易が関係することが非常に多く、世界の多くの国との取引が含まれます。
その際に、言語が堪能でビジネス英語を使うことが出来れば、この通関士としての資格がより一層生きてくると思います。
それで私も、通関士として働いているときには英語の勉強、そして中国語の勉強を行いました。
私個人の考えですが、もし英語と中国語を上手に使いこなすことが出来れば、業務は非常に楽になると思います。
通関士試験の勉強方法
通信講座ですから、自分の好きな時間に勉強することが出来るのは魅力の一つでした。
科目ごとの設問や説明も非常に分かりやすく、楽しく勉強することが出来ました。
またテストの時にも学んだ事柄と同じ事柄が出てきましたから、テスト対策においても良かったと感じております。
フォーサイトは、当サイトの調べでも口コミ評判の高い講座ですので、勉強を始める方は参考にしてください。
私はヒューマンアカデミーの通信講座を利用しました。
この講座の良かったところは、まずは基礎の学習をして、その後は過去問を行うという事です。
私はこの方法によって試験を想定することが出来ました。試験近づいてくると予想問題を解く練習を行いました。
通関士の資格取得を目指す方へ
ですので、通関士という資格を取ってよかったと今では感じております。
流通業、貿易業に関心がある方はこの資格を取っておくなら、就職との時に大きな武器となるでしょう。ぜひ、頑張ってみてくださいね。
しかし、聞いた話では最近では女性の通関士も増えてきているようです。
たしかにこの資格があったら生きていけるという資格ではありませんが、取っておくならば、仕事を探す時に選びやすいように感じます。
女性の方でも関心がある方はこの資格を取ることをお勧めします。
通関士の業務は事務業務ですから、女性にも向いていると思います。