資格名 ファイナンシャル・プランニング技能検定(2級・3級FP技能士)(国家資格)
今回は、ファイナンシャル・プランニング技能検定(2級FP・3級FP技能検定)の資格と働き方について、3級FP技能検定合格者のゆみさんと2級FP検定合格者のなおみさんにお話を伺います。
こんにちわ、ゆみと申します。最近、ファイナンシャル・技能検定3級に合格しました。
仕事は、ハウスメーカーに勤務し、経理事務を担当しています。
私は生活協同組合のLPA(ライフプランアドバイザー)として活動しています。
9年前にファイナンシャル・技能検定3級と2級に合格し、その知識を活かして働いています。
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- 1 FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定とファイナンシャル・プランナー(AFP/CFP資格)の違い
- 2 FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定の資格内容
- 3 FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定試験の合格率・難易度
- 4 FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定試験の受験資格
- 5 FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定試験の内容
- 6 FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定を受けた理由と、仕事での活かし方
- 7 FP(ファイナンシャルプランニング)試験の合格者の平均年収は?
- 8 FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定試験の将来性は?
- 9 FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定資格取得後、実際に稼ぐことができるようになるまでの流れは?
- 10 FP(ファイナンシャル・プランニング)技能資格取得後、ステップアップするためには、どのような勉強や行動が必要ですか?
- 11 FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定試験のおすすめ勉強方法
- 12 おわりに。FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定の資格は、役に立ちますか?
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定とファイナンシャル・プランナー(AFP/CFP資格)の違い
まず、一般的に「FP(ファイナンシャルプランナー)」と呼ばれる資格ですが、正確に言うと、
- 国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能検定(金融財政事情研究会・日本FP協会主催)
が存在し、その上級資格として、
- 民間資格であるファイナンシャル・プランナー(AFP/CFP)資格
が存在します。
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定の資格内容
ファイナンシャルプランニング(資産運用)に関する知識・技能を学科と実技試験にて評価する資格です。
ランクは1級・2級・3級と分かれていますが、1級は税理士や公認会計士を目指すようなプロフェッショナルの資格で、一般的には金融機関の職員であっても、取得は不要(1級の勉強をするくらいなら、他の勉強をした方がいい)と言われています。
ゆえに、このページでは、3級と2級に絞ってお話をします。
3級の実技試験には
- 個人資産
- 保険顧客資産
の2コースがあります。
2級の実技試験には
- 個人資産相談業務
- 中小事業主資産
- 生保顧客資産
- 損保顧客資産
の4コースがあります。
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定試験の合格率・難易度
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定の合格率
<3級>
学科試験受験者数 | 学科試験合格率 | 実技試験受験者数 | 実技試験合格率 | |
2016年9月 | 16,922人 | 69.21% | 15,965人 | 76.81% |
2017年1月 | 19,165人 | 67.20% | 17,988人 | 85.07% |
2017年5月 | 15,609人 | 71.87% | 13,810人 | 86.18% |
直近3回平均 | 17,232人 | 69.4% | 15,921人 | 82.68% |
<2級>
学科試験受験者数 | 学科試験合格率 | 実技試験受験者数 | 実技試験合格率 | |
2016年9月 | 18,504人 | 40.12% | 14,153人 | 50.60% |
2017年1月 | 27,418人 | 39.43% | 17,308人 | 63.87% |
2017年5月 | 18,015人 | 41.44% | 13,197人 | 46.79% |
直近3回平均 | 21,312人 | 40.33% | 14,886人 | 53.75% |
参考:日本FP協会HP
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定試験の難易度
<3級>
直近3回の合格率を見ると、学科試験の合格率は7割弱、実技試験の合格率は8割超と、難しい試験ではありません。
資産運用に関する基本的な知識を問う試験ですので、真面目に勉強に取り組めば、独学でも十分に合格が可能な資格です。
ただし、一般常識的な知識で受けられるものではありませんので、勉強自体は必要です。
平均的には1か月程度の勉強期間が必要と言われています。
<2級>
一般的に簡単と言われる3級と2級の難易度には、大きな差があります。
2級の学科試験合格率は4割程度、実技試験は5割程度ですので、半分しか受かっていないことになります。
ただし、きちんと勉強をすれば受かる資格ですし、チャンスは年に3回もあります。
4年生大学卒などである程度学力に自信がある人であれば、独学でも受かります。
ただ、効率を考えると、通信講座や通学講座で学ぶ方が確実ではあります。
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定試験の受験資格
3級FP検定
- FP業務に従事している者または従事しようとしている者
(受験申請に必要な事項はなく、誰でも受けることができます。)
2級FP検定
次のいずれかに該当する者とします。
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者
- 3級FP技能検定の合格者
- FP業務に関し、2年以上の実務経験を有する者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定試験の内容
学科と実技があります。
3級FP検定
学科
マークシート方式による○×方式。三答択一式60問。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
実技
記述式。
<個人資産相談業務>
- 関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
- 個人顧客の問題点の把握
- 問題の解決策の検討・分析
<保険顧客資産相談業務>
- ①と③は同上
- ②保険顧客の問題点の把握
2級FP検定
学科
マークシート方式による四答択一式60問。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
(2級と同じ)
実技
記述式。
<個人資産相談業務>
- 関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
- 個人顧客のニーズ及び問題点の把握
- 問題の解決策の検討・分析
- 顧客の立場に立った相談
<中小事業主資産相談業務>
- ①と③と④は上記個人資産相談業務と同項目。
- ②中小事業主のニーズ及び問題点の把握
<生保顧客資産相談業務>
- ①と③と④は上記個人資産相談業務と同項目。
- ②生保顧客のニーズ及び問題点の把握
<損保顧客資産相談業務>
- ①と③と④は上記生保資産相談業務と同項目。
- ②損保顧客のニーズ及び問題点の把握
合格基準:3級FP・2級FP共通
- 学科試験36点以上(60点満点)
- 実技試験30点以上(50点満点)
学科・実技ともに合格基準に達した場合に合格と判定される。
試験日
- 年3回(1月、5月、9月)
受験手数料
- 3級:学科・実技共3,000円
- 2級:学科4,200円・実技4,500円
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定を受けた理由と、仕事での活かし方
ハウスメーカーでの職務においては、
施主が新築物件に火災保険を掛けたり、住宅ローンを組んだりします。
ですので、事務員もファイナンスに関係する知識が必要になります。
ハウスメーカーの経理では、給料計算・年金関係・宅建問題に近い建設業法の把握・建蔽率など、広い範囲で知識がないと働けないと感じ、この分野の勉強になるFP技能検定試験を受けようと決めました。
FP技能検定試験の3級は、資格を活かすというより、
- 資産運用に関する知識を豊富にする
という意味と
- 2級へのステップアップ
として、取得する意義があると思われます。
FP技能検定試験の知識が多少なりとも実務や会社知識として活かされるのは
- 保険・証券・銀行などの金融業界
- 不動産会社
- 税務会計事務所
などはもちろんの事
- 建設業や工務店の事務員
もあげられます。
もともとは、自分の生活に活かそうと取得しました。
当時企業で働いていたので、企業の税制や基本的なお金の知識をつけるのにも役立ちました。
また、身内で相続が発生した時などは、基本的な知識があったので、スムーズに情報を提供することができました。
28歳のころに生活協同組合にて、ライフプランアドバイザーという、「ファイナンシャル・プランニング技能を活かして組合員さんに生活の知恵を講義したり会報を作ったりする組織」に所属し、実際に、年金や子育て世代のお金などについて講義を行い、会報誌の作成に携わりました。
子育て世代にお金に関する基礎知識を講義したり、そろそろ退職される年代の方に年金について講義をしたりと、幅広い年代の方にお金のレクチャーができます。
FP(ファイナンシャルプランニング)試験の合格者の平均年収は?
3級FPは、その資格だけで食べていける資格ではありませんので、平均年収をお話しするのは難しいです。
ハウスメーカーで事務をしている私は、年収230万円くらいです。
まだ3級FPの資格を取得したばかりで、手当を付けてもらってはいないのですが、ついても月に5,000円のプラスでしかありませんので、年収はほとんど変わりません。
資格だけでの平均年収をお話しするのは難しいですね。
FP2級の資格をメインに食べていこうと思ったとしても、例えば独立して、テレビや雑誌でコメントを行う有名なアドバイザーの場合は、年収は高いと思いますが、多くの方はこの資格だけで食べていくことはできません。
保険の外交員として、保険のアドバイスを的確に、裏付けを持って行うためや、住宅の販売員の方が住宅ローンや家を建てることにまつわるお金についてアドバイスを行うために、ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取ることが多いです。
また、他の資格と合わせて取ることも多いです。
企業に勤めている方の場合は、資格手当的な要素で収入に反映しています。
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定試験の将来性は?
社会人として役立つ資格ではあるので、資格自体の勉強は意義があります。
将来的にも使える資格であるとは思いますが、人に進められる資格かというと、そうでもありません。
お金になる資格ではなく、自分の生活を豊かにしたり、どちらかというと自分の生活を守るための資格と考えるからです。
個人的には将来的に、高等学校や大学へ通う学生への基礎科目、もしくは基礎授業を行うといったことに役立つ資格だとは思いますが、税理士や弁護士といった社会的な職業を確約する資格ではないので、どちらかというと趣味の延長や個人や企業のコンサルタント業務の一部としての資格ととらえられ、これだけでは仕事にならないものだと考えているからです。
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定資格取得後、実際に稼ぐことができるようになるまでの流れは?
ただ資格だけを取得していても、実務経験がないと、アドバイスをするにしても教科書通りになってしまいます。
顧客に合わせた役に立つアドバイスをするためには、資格をとりつつ、実務経験(年数)も積み重ねていくのが理想です。
就職活動前に保険業、銀行、不動産関係、年金事務所、社会保険関係、証券を扱う関係に就職をお考えのみなさんは、いずれ会社で取得するように言われることが多い資格ですので、稼げるというよりは、資格手当がつく資格(国家資格)だと思います。
保険屋さんに努めている友人の話では、資格を取得しないと減給されるとの事です。
実際にその資格を活かして稼げるようになるまでは、社会情勢を知ったり、自分で生活してみて、お金の流れの感覚をつかむことが大事です。
資格を取ったからといって、いきなりアドバイスできることは、本に書いてある知識と現行の制度だけであり、お客様の生活にあった、ご要望を満たすための知恵は、自分で生活していく中で見つけた「知恵」や「機転」の要素が大きくなります。
またファイナンシャル・プランニング技能士の資格だけがあっても稼げません。
雑誌やテレビで大々的に活動している方は、もともとの土壌や商才があり、それだけで生計を立てている方もいるかもしれませんが、資格者全体に占める割合はごく少なく、保険の外交員や住宅の販売員といった方で、ご自身の仕事の一部としてや、他の資格と合わせて活用している方が多いと思います。
この資格を持っているだけでは、稼げることはありません。
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能資格取得後、ステップアップするためには、どのような勉強や行動が必要ですか?
まずは、3級FPの次は2級FPの資格を取得すべきです。
その後、建設業であれば、プラス宅建士を取得するのが、昇給のステップアップにつながります。
金融機関だと、年金アドバイザーや証券外交員などをプラスして実務に取り組むのがより良い出世の道になるのではないでしょうか。
また更にステップアップするには社会保険労務士、行政書士、税理士、会計士などがあります。
2級ファイナンシャルプランニング技能士は様々な職種で必須となる知識ですので、私も挑戦する予定です。
継続的に新聞や書籍、またはインターネットで最新の情報に触れておくことが大事です。
取り扱う範囲が大きいので、まんべんなく世の中の情勢に詳しくないと知識が古くなります。
例えば住宅ローンについては、ここ10年間毎年のように制度が変わっていますし、生前贈与や相続税についても改変がありました。
社会保険料等の負担率なども毎年アップしており、そういった細かい数字も把握していることが大切と思います。
また、実際に家計の管理をしていないと生活に基づいたアドバイスを行うことはできません。
表面的な数字や、平均の割合に近づけるような家計診断では、それぞれの方にみあったアドバイスができないので、地に足の着いた助言を行えるためにも、自分でしっかり生活をしていることも大事な要素だと思っています。
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定試験のおすすめ勉強方法
3級FPは、独学で充分だと思います。
勉強方法として注意することは最新のテキストを購入すること。
法律は年々変わっており、過去のテキストだと不正解になってしまう場合がある。
流れとしては
- 最新のテキストと問題集を、レビューなどを見て購入します。
- サクッとテキストに一通り目を通します。
- 最低5年分位の過去問に取り組みます。(ネットで無料ダウンロードできます)
- テキストを改めてじっくり読みます。
そうすることによって、重要なことを効率良く覚えることができますし、新しい法改正があると記憶に残ります。
合格ラインは6割以上の正答率ですので、過去問で8割9割解けていれば合格できます。
独学でも可能な試験ではあると思いますが、おすすめはフォーサイトです。
音声がわかりやすいので、「ながら勉強」が出来ます。
社会人などは特に忙しくて勉強時間の確保が難しいので、通勤しながらやご飯を食べながら、食器を洗いながら、DVDやCDで目と耳から勉強できるフォーサイトは良いと思います。
通信講座は色々ありますが、フォーサイトは特に動画の質にこだわっていますので、通信講座を検討中の方は、候補の一つに入れて良いと思います。
(フォーサイトは日本FP協会の認定教育機関です。)
おわりに。FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定の資格は、役に立ちますか?
役に立つと思います。自分の人生においても役に立つ金融知識がたくさんありますし、仕事においても、活躍できる職種がたくさんあります。
とっておいて損は無い資格だと思いますよ。
これ一本で稼ぐ、という意味では、正直なところ、役には立たないと思います。
ですが、就職や転職の履歴書に書くという意味や、何より自分の財産管理をする上では必ず役に立つ資格です。
ですので、関連する職種に就職したい方の他にも、
- 大学生で、時間があるうちに何か資格がとりたい
- 主婦で、復職にあたり何か履歴書に書く資格が欲しい
というような方にはおすすめできる資格です。