資格名 医療事務管理士 (民間資格)
今回は、医療事務管理士の資格と働き方について、医療事務管理士のさやかさんに実情を伺います。
医療事務管理士のさやかと申します。
現在、病院で医療事務管理士として勤務しています。
たのまなの通信講座で2か月勉強して資格を取得しました。
よろしくお願いします。
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医療事務管理士の業務内容
「医療事務管理士」は、民間資格ではありますが、平成17年に特許庁により商標登録が認められ、広く認知されました。
日本で最も古い医療事務の認定試験で、今では、全国の医療機関で医療事務管理士の資格保持者が業務にあたっています。
医療事務管理士の資格を取ってする仕事は、病院やクリニックなどでの受付業務、ナースステーションでの入院患者のカルテ管理や看護師のサポート業務、レセプト(診療費の請求書)の作成業務、会計業務など様々です。
どれも、医療事務管理士の資格を取らないとできない仕事ではありませんが、医療事務管理士の資格を取ることで、これらの医療事務の仕事の能力があることを証明することができます。
働く場所も、上述のクリニックや総合病院に加えて、保険調剤薬局、検診センター、健康保険組合、損害保険会社など様々な場所があります。
医療事務管理士技能認定試験の合格率・難易度
医療事務管理士技能認定試験の合格率
医療事務管理士技能認定試験は、医科と歯科に分かれています。
<医科>
受験者数 | 合格率 | |
平成28年5月 | 1,901人 | 48.6% |
平成28年7月 | 2,432人 | 48.1% |
平成28年9月 | 2,990人 | 49.0% |
3回平均 | 2,441人 | 48.5% |
<歯科>
受験者数 | 合格率 | |
平成28年5月 | 228人 | 70.2% |
平成28年7月 | 522人 | 80.8% |
平成28年9月 | 380人 | 82.9% |
3回平均 | 377人 | 80.0% |
試験の難易度
医療事務の資格の中でも比較的簡単な方です。
真面目に勉強をすれば、合格することができます。
医療事務管理士技能認定試験の受験資格
誰でも受験可能です。
医療事務管理士技能認定試験の内容
医科、歯科ともに下記の内容で行われます。
学科(1時間)
医科、歯科ともに各10問、マークシート(択一式)
- 法規:医療保険制度、後期高齢者医療制度、公費負担医療制度などについての知識
- 医学一般:各臓器の組織、構造、生理機能、傷病の種類などについての知識
- 保険請求事務:診療報酬点数の算定方法、診療報酬明細書の作成、医療用語などについての知識
実技(3時間)
診療報酬明細書を作成するために必要な知識。診療録により点数を算定。
- 外来の診療報酬明細書の記載
- 入院の診療報酬明細書の記載
- 診療報酬明細書の点検
*学科・実技ともに、診療報酬点数表、その他の資料を参照して答案を作成することが可能です。
合格基準点:学科試験70点以上。実技試験70%以上。
試験日
- 年6回
- 奇数月の第4土曜日
受験手数料
- 医科、歯科各6,700円
医療事務管理士の資格取得後、実際に稼ぐことができるようになるまでの流れは?
資格取得後、私はヒューマンアカデミーの「たのまな」の通信講座で資格を取得し、ヒューマングループの就職支援を受けて病院に就職しました。
実際に稼げるのか?と言われたら疑問ですが、結婚を期に退社し、近所のクリニックで勤めました。その際、医療事務管理士の資格を持っている事と、病院での仕事の経験がある事が有利となり、採用してもらえました。
パート勤務なので社会保障はついていませんが、総合病院で働いていた時より時給は良かったと思います。
医療事務管理士の資格は、経験を積むごとに時給があがり、時給の良い職場に採用されるようになります。
経験が重視される職種ですので、派遣やパートで経験を積んでから正社員を目指した方が、効率が良いです。
医療事務管理士の資格に加えて、経営の知識がある場合は、管理職候補として最初から正社員で採用されることもあります。高収入を狙う場合、中規模の病院に正社員で就職し、事務長をめざすという方法もあります。
医療事務管理士の平均年収
年齢や経験によりますが、最初は200万~250万円くらいです。
正直かなり安いです。男性だと結婚するのが難しいと辞めてしまう人がたくさんいました。
ただ、私のような請負ではなく、直接病院へ就職すれば少しはお給料が良いかと思います。
正社員の場合は年収300万円から400万円は目指せます。
少しでも高い給料を目指すなら、大学病院など大きな病院で働くようにしましょう。
*管理人が調査したところ、平均年収は250万円から350万円程度ですが、大学病院が年収250万円以上なのに比べて、クリニックでは年収200万円程度からが多いですし、田舎になると、年収が180万円から250万円程度になります。
働く地域、病院の形態、正社員かパート・派遣か、など様々な要因により異なりますので、一口に平均年収を語ることは難しいです。
医療事務管理士の将来性
資格を取ってから、総合病院へ就職しましたが、就職してみると資格を持たずに仕事をしている人もたくさんいました。
ただ、無資格の人の中では仕事をしながら通信教育でこの資格を取る人も何人かいました。
医療事務の仕事は、コンピューターシステムの導入により簡素化していますが、まだまだ医療事務の求人は多いのが現状です。
医療事務管理士の資格は取りやすいですが、実際に業務を始めると、勉強することが多く、思っていた仕事内容と異なる場合もあるため、やめてしまう人が多い職種です。
正確に業務を行うには、長年の経験が必要となるため、慢性的に人が足りていません。
将来的には診療報酬の制度が変わったり、病院のシステムが変わったりすることにより、現在と同じ業務内容ではなくなるかもしれません。しかしながら、少なくとも今後10年位は需要のある仕事だと思います。
医療事務管理士資格取得後、ステップアップしたり稼ぐようになる為に必要な勉強や行動とは
私が病院で配属されたのは、入院業務でした。入院は診療内容も濃いので自然とレセプト内容も濃くなります。医療用語も薬も多様で多少の知識が必要になります。
レセプトは診療報酬点数表という本から、診療に合った点数を算定しなければなりません。ほとんど自動入力で先生が指定した点数を算定するのですが、それでも確認が必要です。ですので、分からないところは看護師さんや先生に質問して、知識を深める努力をしました。
この仕事について5年目に「診療報酬請求事務能力認定試験」という全国統一テストを受け合格しました。
この資格は、全国統一なので医療事務者として一つステップアップできると思います。
主に、現場で仕事をしながら自然と勉強しましたが、先にこの資格を取った職場の先輩からテキストを借りて勉強しました。
また、院内システムを構築するなど、パソコンの知識も役に立ちます。
ただ単に医療事務管理士の勉強で身につけた診療報酬の仕事をするだけでなく、病院全体が良くなる方向に尽力すると、病院での存在感が増していきます。
中規模病院で正社員として出世を狙うなら、医師や看護師と連携をスムーズに行うことも大切です。
医療事務管理士技能認定試験のおすすめ勉強方法
私は通学講座で学びました。
そんなに覚える事は無く、カルテを読めるのが楽しくてどんどん頑張ったように思います。
ヒューマンアカデミーの「たのまな」の医療講座は、合格実績も5万人近く、就職支援もあります。
また、標準学習期間内に修了した人には受講料の20%のキャッシュバックがあったので、頑張るモチベーションにもなると思いました。
わかりやすかったですし、実際に短期間で合格できましたので、良い講座だったと思います。
医療事務管理士の資格の受験を悩んでいる人には、こんな資格もおすすめ
- 診療報酬請求事務能力認定試験:この資格取得後のステップアップ資格として
- マイクロソフトオフィススペシャスト(MOS):最近の医療事務はパソコンが必須のため
おわりに。医療事務管理士の資格は、役に立ちますか?
今考えるとこの資格を持って就職したから、入院業務に携われたのかな。と思います。その意味ではこの資格を持っていることで、医療事務の深い部分で仕事をできたので、役に立ったと思います。
また、結婚、出産を期に職場が変わっても、仕事の基本はこの資格で身についているので役立つと思います。
また、医療事務は未経験で無資格でも採用されると言われていますが、それは新卒の場合です。
転職や再就職で医療事務を目指す場合は、資格が無ければ相手にされないと考えておいた方が無難です。医療事務管理士は医療事務を目指すなら必須の資格だと思います。
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