資格名 行政書士 (国家資格・独占業務)
今回は、行政書士の資格と働き方について、行政書士のゆたかさんに実情を伺います。
行政書士のゆたかと申します。
2005年にフォーサイトを使って勉強し、行政書士の資格を取得しました。
行政書士歴は12年で、年収は850万円位です。
私は三流大学卒業後、就職した企業がブラックで、数年で退社。
今後どうやって生きていこうかと悩んでいる時に、友達の合同事務所で事務員としてお世話になることになり、そこで出会った行政書士という仕事に魅力を感じて、一念発起して勉強。
一回の受験で無事合格し、行政書士として独立しました。
行政書士の仕事は、範囲が膨大なのが特徴です。
また、資格を取得するとすぐに独立が可能(というより、独立しか道がないことが多い)のですが、資格試験の内容と実務内容は直結しておらず、日々勉強しながら試行錯誤でやっていかなければなりません。「行政書士は簡単に稼げる」わけではありません。
ですが、会社では怒られるばかりで未来が見えなかった私でも、あの頃よりはるかに多い年収を得ることができるようになりました。
そんな私の話が、皆さんのお役に立てば幸いです。
*当サイトでは、お名前と合格年度にて本人が判明する資格につきましては、年収や業務内容について本音をお話しいただくため、仮名を利用しております。
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行政書士の業務内容
行政書士の仕事には
- 役所(官公署)に提出する許認可申請などの書類の作成・申請手続代理
- 権利義務に関する書類の代理作成
- 事実証明に関する書類の作成
- 上記の仕事に付随する相談業務
があります。
作成する書類の内容でいうと、
- 民事業務:遺産分割協議書・内容証明郵便などの書類作成
- 許認可業務:建設業や宅建業などの許認可を取得するための書類作成
- 入管業務:外国人のビザ関係などの書類作成
- 起業支援業務:会社や一般社団法人設立などの書類作成
と幅広く、あります。
許認可業務だけでも1万種類以上あると言われており、さらに法改正があれば新しい手続が生まれたり、または無くなったりします。
最近は書類申請も電子化が進み、お役所の説明も丁寧になっていますので、事業者が自分でできてしまう手続も増えていますが、行政書士でないと理解できないような手続も多種あります。
行政書士試験の合格率・難易度
行政書士試験の合格率
受験者数 | 合格率 | |
平成26年 | 48,869人 | 8.3% |
平成27年 | 44,366人 | 13.1% |
平成28年 | 41,053人 | 9.9% |
3年平均 | 44,762人 | 10.4 % |
出典:行政書士試験研究センター
行政書士試験の難易度
資格業界でも法曹系の資格は難易度がとても高く、司法試験、司法書士などはその最たるものです。
ですが、行政書士に関しては、合格率が表すほどの難しさはないというのが実感です。
言い方は悪いですが、他の法曹系の受験者層とは、学歴も違います。
行政書士には受験資格が必要ありませんので、受験者の裾野が広がっていますが、その分本気度の低い人も多くいます。
司法書士などに比べると専業受験生は圧倒的に少なく、皆さん社会人として勤務しながら勉強をしていることも、合格率が低くなっている要因です。
受験当日、まずは空席の多さに驚きます。
そのあと、受験中にもかかわらず帰ってしまう人の多さにも驚きます。
要は、本当にやる気のある受験生がごく一部で、「なんとなく行政書士取っておこうかな」「法学部卒業したし、取れるんじゃないかな」「資格手当貰えるし、受けてみるか」的な受験者が圧倒的に多い。
なので、合格率の低さはそんなに気にすることはないです。
行政書士は法律の登竜門的な資格です。
ですので、行政書士試験に受かれば、受験資格が必要な社会保険労務士試験なども受けることができます。
とはいえ、片手間で軽い気持ちで受かるような試験でもありません。
本気で何ヶ月も、「この試験に受かるぞ!」と言う気持ちで勉強に取り組み、きちんと対策してきた人は、受かる可能性が十分にある資格ということです。
行政書士試験の受験資格
上述のように、誰でも受けることができます。
ですが、半端な気持ちで勉強した人が受かるような甘い試験ではないことは念を押しておきます。
行政書士試験の内容
行政書士の業務に関し必要な法令等
- 出題数46問
- 択一式・記述式
- 憲法
- 行政法:行政法の一般的な法理論・行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法・地方自治法を中心とする
- 民法
- 商法
- 基礎法学
行政書士の業務に関連する一般知識等
- 出題数14問
- 択一式
- 政治・経済・社会
- 情報通信・個人情報保護
- 文章理解
試験日
- 11月の第2日曜日
申込期間
- 8月〜9月(平成29年度は8月7日〜9月8日
受験手数料
- 7,000円
行政書士の資格取得後の働き方
行政書士の働きかたは
- 行政書士事務所として独立開業
- 行政書士事務所または合同事務所で勤務
- 一般企業で資格を活かして働く
などがあります。
行政書士の実務は、資格の勉強では触れられないことが大半です。
業務範囲が幅広いので、試験範囲にはないことを、たくさんしなければなりません。
資格取得後の研修は、良いものもありますが、当たり外れも多いです。
ですので、先輩行政書士に色々学んで勉強したいところですが、正直、人を雇う余裕のある行政書士事務所は少ないです。
私は運良く合同事務所に無資格のうちに雇ってもらえたので、そこで実務を間近に見ながら勉強をすることができ、他の人に比べると比較的スムーズに資格取得後仕事に取り組めたと思います。
ですが、多くの人はいきなり独立開業します。
雇ってもらえないから…という理由もありますが、独立開業するのにお金がかからないので、独立しやすいというのも理由です。
あと、そもそも独立したいからこの資格を取るという人も多いので。
一般企業で資格を活かして働くのもいいですが、せっかく士業の資格を取ったなら、成功するためには独立かな、と個人的には思いますね。
一般企業の転職にも、役には立ちますが、企業で必要なのは即戦力ですので、関係部署で働いたことがある人が、+αでこの資格を取るというのなら、とても良いと思います。
行政書士の平均年収
独立系の資格なら、本人の人脈・営業力次第です。その前提で、一応目安としてお話ししますね。
一般企業で行政書士として雇われることはほとんどないと思いますので、一般企業で資格を取得しても、よくて資格手当が出たり、給料が少し上がったり、発言力が増すくらいでしょう。
今より良い企業に転職するために、というのであれば資格保持はプラスになるかもしれません。
誰かに雇われる形での行政書士だと、年収は200〜300万円くらいです。驚きの安さですね。
行政書士で稼ぎたければ、独立するしかありません。
が、開業率と廃業率は同じくらいと言われています。
有資格者・独立者がどんどん増える一方で、廃業する人もたくさんいます。
資格学校が唄うような、簡単に稼げる資格ではありません。
ただ、関連分野の部署にいる人のスキルアップやより良い企業に転職するための資格としては良いと思いますし、独立開業したら大きく稼げるチャンスもある資格ではあるんですよ?!
実際、自分で言うのもなんですが、私も稼いでますし。
その話もしますね。
行政書士資格は、稼ぐチャンスがある資格ではあります。
成功している行政書士は、何らかの専門分野に特化してやっています。
その膨大な業務範囲から、特化すべきものはいろいろあります。
ただ、法律の改正でその専門分野の仕事がなくなってしまう…なんてこともありますので、マーケティング能力は必要です。それは、努力次第で手に入れることができる能力です。
マーケティング能力があれば、今何らかの専門分野がなくても、行政書士の資格を取ってからの勉強でも大丈夫です。
私みたいに、大した学歴もなく、履歴書があまり綺麗でない人間が、それでも稼ぐためのチャンスをくれる資格ではあります。
私の年収(40代:850万円)は、大企業クラスだと思いますが、私の経歴では、普通に一般企業で雇われてもらえる給料ではありません。
行政書士として独立開業したからこそ稼げていると思っています。
決して楽な道ではありませんが、気合と根性があるなら、夢はある資格ですよ。
また、後述しますが、他資格とのダブルライセンスで持っている人が多いです。
この場合、業務範囲を広げるのにかなり効果があります。
行政書士一本で行くのではなく、まず行政書士の資格を取って、その他資格や業務と併用することを強くおすすめします。
行政書士のステップアップ方法
ちなみに、行政書士になってからはどうやってステップアップするんですか?
ただ、新人行政書士を食い物にする、中身のない研修も色々とありますので、注意してください。
高額な費用を払う時には、事前にリサーチを忘れずに。
上述しましたが、行政書士一本で独立するよりも、他資格とのダブルライセンスをお勧めします。
- 社会保険労務士
- ファイナンシャルプランナー
あたりが、難易度的にも近いですし、仕事の幅を広げてくれると思います。
行政書士試験の勉強方法
…が、おすすめはしません。他の法曹系に比べれば登竜門的な資格とはいえど、決して簡単な試験ではありませんから。
試験の出題は広範囲で、合格基準は正答率60%以上です。
全科目をまともに勉強しようとすると、いくら時間があっても足りませんので、科目ごとに、メリハリのある勉強が必要になります。
一般知識等については、問題演習をやりながら、どんな問題が出題されるのか分析する必要がありますが、個人でやるのは並大抵のことではありませんので、実績のある講座に任せるのが、確実です。
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行政書士の資格のまとめ
新卒の学生が就職活動をする上で、自分が大学時代に勉強を頑張ったんだというアピールにもなりますね。
行政書士一本でも独立できるし、何よりダブルライセンスの価値は大きい。
大した学歴も経歴もないけど、自力で人より稼げるようになりたいんだ!という方は、まずは行政書士をとって、その後そのまま独立するなり、他資格のダブルライセンスを考えるなりしたら良いと思います。
私は、しがないサラリーマンから無職になり、毎日に夢も希望も無くなっていましたが、この資格を取り、独立したことで、あの頃怒られてばかりだった上司たちより、よっぽど多くの収入を得ることができるようになりました。
あの時に行政書士の仕事に出会わなかったらどうなっていたのかと思うと…
本当に、この資格を取得して良かったです!
今の自分を変えたい!と思う方は、まずはどんな勉強をしたら良いのか、確認してみたら良いと思います。