医療・健康

現役【理学療法士】に聞く資格のすべて。勉強法・将来性・稼ぎ方など、知れば差がつく資格の現実。

資格名  理学療法士(国家資格・独占業務)

管理人
管理人
こんにちは、資格の現実管理人のみなみです。

今回は、理学療法士の資格と働き方について、理学療法士のみつるさんに実情を伺います。

みつるさん
みつるさん
こんにちは。
理学療法士のみつると申します。

現在、訪問看護施設に理学療法士として勤務しています。

理学療法士の資格は2012年に、夜間の養成校にて4年間勉強して取得しました。

よろしくお願いします。

理学療法士の業務内容

  • 病気や事故などにより身体に障害を持つ人
  • 身体機能が衰えた高齢者

などに、運動療法や温熱、低周波などを使った物理療法を行いながら、機能回復を図る訓練を行います。

歩いたり、座ったり、立ったり、寝返りをうったりといった、基本的な身体的な機能の回復をサポートするために、その人にあったリハビリを計画し、「運動療法」や「物理療法」を行います。

作業療法士との違い

  • 理学療法士:基本的な身体機能の回復を図る
  • 作業療法士:日常生活に関わる細かな動作の回復を図る

理学療法士の試験の合格率・難易度

理学療法士試験の合格率

受験者数 合格率
平成25年 11,129人 83.7%
平成26年 12,035人 82.7%
平成27年 12,515人 74.1%
3年平均 11,893人 80.2%

合格率は、やや低下傾向にあります。

試験の難易度

合格率の3年平均が8割を超えていますので、簡単なように見えるかもしれませんが、実際にはそんなに簡単な試験ではありません。

理学療法士のための学校での勉強はハードで、卒業生の合格率を上げるために、一定のレベルに達しない生徒はなかなか進級できず、途中でやめていく生徒がたくさんいます。

その中で、4年間進級して勉強を続けて試験に挑む受験者たち。その中の8割なので、数字から難易度を甘く見ると、後悔することになります。

ただし、覚悟を決めて理学療法士の勉強に取り組むのであれば、決して取れない資格ではありません。

理学療法士試験の受験資格

大学入学資格があるもので、文部科学大臣が指定した学校か、都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において、3年以上、理学療法士として必要な知識および技能を習得した者(修業または卒業見込みの者を含む) など

理学療法士試験の内容

一般問題と実地問題に区分して、次の科目について筆記試験を行います。

一般問題

  1. 解剖学
  2. 生理学
  3. 運動学
  4. 病理学概論
  5. 臨床心理学
  6. リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む)
  7. 臨床医学大要(人間発達学を含む)
  8. 理学療法

実地問題

  1. 運動学
  2. 臨床心理学
  3. リハビリテーション医学
  4. 臨床医学大要(人間発達学を含む)
  5. 理学療法

試験日

  • 筆記:2月下旬
  • 口述・実技:2月下旬(展示試験受験者のみ)

受験手数料

  • 10,100円

理学療法士取得のメリットと資格取得後の働き方

私は理学療法士になるまでは、介護職としてある社会福祉法人に勤務していました。

その時、上司から理学療法士の資格を取ってみないかとお話をいただき、養成校に通うようになりました。

介護職時代では月給が約19万でしたが、ボーナスもあり合わせて年収が300万に届くか届かないかの範囲でした。

理学療法士になってからはボーナス含めての年俸制に変わり、資格取得後すぐに年俸380万と80万円ほどジャンプアップしました

普通の介護職を続けるとその昇給は難しいので資格を取るだけでかなり稼げるようになります

安定した収入は、理学療法士の資格取得のメリットの一つだと思います。

資格取得後は、自分の治療技術を高めたり、役職につくことで年収が増加していきます。

理学療法士の平均年収

平成27厚生労働省の調査によると、平均年齢が31.5歳で、平均年収は405万円とのことです。

私も現在年俸400万で雇用していただいています。

ただ、理学療法士は、他のサラリーマンに比べて経験年数増加による年収アップ率は低いと思います。

30歳の頃には、一般的な会社員とそう年収は変わらないのですが、年齢が上がるにつれて、昇級率の悪さから、一般の平均年収に比較すると年収が低くなっていきます。

専門職なので、もう少し待遇の改善が望まれますね。

ちなみに、よく比較される作業療法士とは、年収はそう変わりません。

介護職などに比べたら十分な収入ではありますので、介護の業界で働くことに興味がある人にはオススメです。

理学療法士の将来性

理学療法士はリバビリ専門職ですが、仕事をする対象者は身体に障害をもつ者と定義されています。

その為、健康な方相手ではなく、怪我や病気を抱えておられる方が対象者になるため、必然的に高齢者を相手に仕事をすることが多くなります

日本では高齢化に伴い、認知症や要介護状態の高齢者数も増加しており、理学療法を必要とする方はどんどん増えてきています

その点では、今から後30年ほどは仕事の需要も多く、食いっぱぐれることはないと思います

また、病院では入院日数の制限が設けられている為、満足にリハビリを受けられずに自宅に戻られている方も多くいます。

以前は理学療法士の働く場所は病院がほとんどでしたが、今では在宅分野で活躍する理学療法士も増えてきています

理学療法士資格取得後、ステップアップしたり稼ぐようになる為に必要な勉強や行動とは

理学療法になってからは、スキルアップ方法により年収の上がり幅が違うように思います。

  • 理学療法の治療技術を高め、自分でセミナーを開催するくらいの知名度を上げる
  • 職場の管理職になり手当をもらいながら年収を上げる

の2パターンに別れると思います。

セミナーは講師として登録しやすいものもありますが、しっかり選ばないと手数料などで取り上げられ、手元には僅かなお金しか残らないこともあります。

確実なのは管理職になり、役職手当をもらうことだと思いますが、実務から離れるため理学療法士としてのやりがいは少なくなってしまいます

どちらにせよ、自分の治療技術を高めたり、部下に慕われるような努力をすることが重要です。

理学療法士のおすすめ勉強方法

現在は養成校に通わないと取得できません。

夜間か昼間で通学年数は変わりますが、自分のライフスタイルや就労状況に合わせて選択することをおすすめします。

理学療法士の資格の受験を悩んでいる人には、こんな資格もおすすめ

  • 作業療法士
  • 言語聴覚士

理学療法士について、おわりに。

みつるさん
みつるさん
高齢者に関わる仕事は、これから需要が増える一方ですし、そういった職種の中では、理学療法士は安定したお給料がいただける仕事ですので、安心して目指せる資格だと思います。

学校に通うのは大変ですが、夜間の学校には働きながら勉強に励む同志がたくさんいて、刺激になりますよ。高給取りにはなれませんが、やりがいがあり、目指す価値のある資格だと思いますので、興味のある方は、頑張ってみてください。

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